「日本一硬いせんべい・極堅深川」の出来るまで・中篇

「日本一硬いせんべい・極堅深川」

さて、焼く前の生地1枚につき40g近くある「日本一硬いせんべい・極堅深川」を焼くのはどうするか?
おせんべいを焼く際に一番難しいのは「焙炉(ほいろ)」と呼ばれる焼く前のゆっくりとした加熱。「極堅深川」の場合、冬で2時間以上、夏で1時間半の焙炉を取ります。夏の時間が短いのは、気温が高いせいと、夏はお米の収穫から時間がたっているので、お米に含まれる水分が少し少ないからです。この焙炉の時間が長すぎると柔らかくなってしまい、短すぎると生焼けで美味しくありません。その時の生地の様子を見ながら、焙炉の時間を判断します。ここは経験を必要とするところです。
「極堅深川」を作った時、生地屋さんが一番心配したのがこの焙炉。10mmの厚さのおせんべいを焙炉にかけると割れてしまうのではないか、と言うのです。でも、生地屋さんといろいろ研究し、最適な水分量を見つけ、「極堅深川」の製造に成功しました。

焼いてます!!

そして焼きます。
其角せんべいでは、ガスの火で焼いております。ガスの火でセラミックを熱し、遠赤外線を発生させて焼きます。安定した火力は、火力のやや不安定な炭火より、間違いなく美味しくむらなく焼けます。セラミックで遠赤外線を発生させる方法は今では焼鳥屋さんなど、どこでも採用してますが、其角せんべいでは30年以上前から採用してまして、けっこうパイオニアだと思います。
そして其角せんべいの特徴である「押し焼き」。焼く途中の膨らんだおせんべいを熱い鉄のコテで押します。これによって、熱が芯まで行き渡ります。昔の草加せんべいの手焼きせんべいなどは、炭火の上で熱した陶器のコテを分厚い軍手をした手でぐいぐい押しておりました。
もうやめちゃいましたが浅草の「入山せんべい」の手焼きせんべいは「押して」ませんでした。だから「入山」のおせんべいは波打ってました。「入山」があまりにも有名になったので、草加せんべいはみんな波打っている、という風にみなさん思ってらっしゃると思いますが、本来は、其角せんべいのように、押して平らにするのが草加せんべいです。

焼いてます!!
焼いてます!!

そして、押し焼きの後は「色付け」と呼ばれる焦げ色をつける焼き。ここの焼きもすごく重要で、お米の香ばしさを出すにはしっかりと焼かないといけませんが、焼き過ぎるとお米の甘味が消えてしまいます。
押し焼きの段階でどれくらい水分が飛んでいるかを見ながら、ここの火力も注意深く調節します。
ここもむずかしいところです。

さてさて、また長くなりましたので、また続く。
「日本一硬いせんべい・極堅深川」もうちょっとで完成です。

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