第3回・富岡八幡宮を味わい尽くす③狛犬さんたちと江戸時代

富岡八幡宮には、狛犬さんたちがたくさんいます。あまりじっくり狛犬を見る機会はないと思いますが、けっこうみんな可愛いんですよ。今回はそのうち三つを紹介しましょう。

これは参道の階段の右側にあるもの。これが一番古くて、享保12年(1727年)海辺大工町の松下源兵衛さん他2名によって奉納されたもの、なんだそうです。享保年間といえば、八代将軍徳川吉宗による「享保の改革」大岡越前が町火消を作ったりした時代です。江戸がやっと、幕府のおひざ元として少しずつ繁栄を始める時代。その時代にこんな立派な狛犬を奉納した松下源兵衛さんてどんな人だったんでしょうね。

最初からここにあったわけではなく、いろいろ修復を重ねて、関東大震災後の復興のときにここに置かれるようになった、ということです。だから、八代将軍の頃のまんまの狛犬ではないのですが、それにしても、由緒正しい。

こちらは本殿左側の大鳥神社とかがあるところにある狛犬。

こちらはそれから100年以上あと、幕末、井伊直弼による「安政の大獄」まっさかりの安政6年(1859年)久山銀太郎さんとか吉田新八さんとかによって奉納されたもの。なんか彫刻が細かいし、全体に力強くて、立派です。

こちらは、さっきの狛犬のすぐ奥にあるもの。よく見ると、両方とも「子犬」を抱えてるんですよ!!そんな狛犬さん見たことないですよね、すごくカワイイ!!

こちらは大正10年に冬木町とか深浜の人たちによって奉納されたもの。江戸時代のものより丸い感じなのは、狛犬にも流行があるのかな。

てなわけで、何の気なしに見ている狛犬さんたちにも、江戸時代から大正時代までの歴史が詰まっております。江戸時代や大正時代、どんな人たちがどんな思いでこの狛犬さんたちを奉納したんでしょうか。そんなことに思いを馳せながら、富岡八幡宮を巡ってみるのも味わい深いですよ。

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